睡眠時無呼吸症候群の定義は、10秒以上続く無呼吸が、一晩の睡眠中(7時間)に30回以上、あるいは睡眠1時間に平均5回以上認められ、かつその一部はnon-REM睡眠中にも認める場合、というものです。 睡眠時無呼吸症候群は2つのメカニズムで起こるとされています。 ①閉塞型睡眠時無呼吸症候群:のどが詰まって呼吸ができないため息がとまる。 ②中枢型睡眠時無呼吸症候群:脳から呼吸しろという命令がこないために息がとまる。 そして、①②を合わせた混合型睡眠時無呼吸症候群、というものがあります。 ①の要素としては 鼻閉:鼻中隔湾曲、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープ 扁桃肥大:アデノイド、口蓋扁桃肥大、舌根扁桃肥大 軟口蓋、口蓋垂の過伸長 肥満による咽頭部位の気道閉塞 巨舌 腫瘍 下顎発育不全:小顎症 下顎後方偏移:顎関節強直症、リウマチ性顎関節症 上顎後方偏移 などがあります。 こうした原因で起きる睡眠時無呼吸症候群の症状には次のようなものがあります。 ①起きている時 ・日中の眠気、記憶力・集中力の低下 ・起床時の頭痛・頭重感・寝起きが悪い ・性欲定価・インポテンツ・勃起障害 ・性格変化・抑うつ状態 ②睡眠時の症状 ・いびき ・異状体動 ・不眠・中途覚醒 ・夜間頻尿 ※いびきとは、狭くなった気道を空気が通るときに出る音で、息はしています。 無呼吸は、息が止まっていることで、このときはいびきはありません。 睡眠時無呼吸症候群の症状が続くと様々な合併症の原因にもなります。 高血圧:睡眠時無呼吸症候群の68.3%が罹患 不整脈:とくに心房細動は50%に合併 虚血性心疾患:合併率は35~40% 心不全:閉塞性・中枢性の76%に合併 2型糖尿病:10%に合併 歯科による治療方法では 就寝時、患者様個々のお口の形に合わせたマウスピースを装着する事により、 のどの気道(空気の通り道)が拡がり、いびきや無呼吸がなくなります。 装着時した最初の頃は多少違和感がありますが、時間とともに慣れてきます。 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、担当の歯科医師ご相談下さい。