今回は、いわゆる脳梗塞や脳出血などの脳血管障害(脳卒中)について書いていこうと思います。 脳の病気についての知識があれば、急を要する脳血管障害(脳卒中)の病気において、 いち早く身近な人の変化に気づけ、1人でも多くの患者さんを救えることができるかもしれない。 そんな思いで今回の記事を書いていきます。 先ず初めにかんたんに言葉の説明をしていきます。 1.虚血:組織に動脈からの必要な血液供給量が減少あるいは消失すること ※貧血:単位容積の血液中に含まれる血色素量が正常以下の場合 2.梗塞:虚血を原因とする器官・組織の壊死 (1)貧血性(白色)梗塞 腎臓、脾臓、心臓など終末動脈(その先は別の動脈とのつながりがない)の支配を受けた組織で、 動脈の閉塞部位を頂点とし、臓器表面を底面とした円錐形の限局性灰白色壊死を形成 (2)出血性(赤色)梗塞 一般に血液の二重支配を受ける臓器(肺、肝臓)では、 一方の動脈(肺動脈、肝動脈)が閉塞し梗塞を生じても、 後に他方の血管(気管支動脈、門脈)から梗塞巣に血液が流入し生じる ※腸では門脈圧が高いため、梗塞部に門脈血が還流して生じる 3.塞栓:栓子(血塊などの塊)が血液中に流れだし、その塊によって血管が塞がれ、血流が遮断されてしまうこと 4.うっ血:静脈血の還流が妨げられ、局所に血流が貯留した状態 5.充血:動脈血の還流が妨げられ、局所に血流が貯留した状態(うっ血との比較として) 次に、脳血管障害(脳卒中)の現状については次の通りです。 日本人の死因4位(約8.7%) 寝たきりの原因1位 ※介護理由の1位は認知症 脳血管障害(脳卒中)の分類 ①虚血性 Ⅰ.脳梗塞 ⅰ.ラクナ梗塞:高血圧の患者さんに多い ⅱ.アテローム血栓性脳梗塞:高血圧、糖尿病、脂質異常症の患者さんに多い ⅲ.心源性脳塞栓症:心疾患や心房細動(非弁膜性)の患者さんに多い Ⅱ.一過性脳虚血発作 ②出血性 Ⅲ.脳出血 Ⅳ.クモ膜下出血 脳卒中は治療の遅れが命にかかわってくる病気です。 脳卒中の症状は突然現れることが多く、徐々に悪化していきます。 早急に119番に電話することが大切です。 症状が軽くても自分で運転して病院に向かうことは危険です。 最近では、簡単に覚えることのできるFASTという標語で、 脳梗塞を含む脳卒中を疑うための「ACT-FAST(アクト・ファスト)キャンペーン活動」が展開されています。 Face:顔の麻痺(顔の片側がさがる、ゆがみがある) Arm:腕の麻痺(片腕に力が入らない、下がる)) Speech:ことばの障害(ことばが出てこない、ろれつが回らない) ※以上のうち1つでも症状が出ていれば可能性は高いので早急に119番に電話しましょう。 Time:発生時刻 少しでも異変に気づいたら、ただちに専門病院を受診しましょう。